読みにくいBlogがWebから消えない理由

半月ほど前からなのですが、このBlogの文章を書き方を変更しました。

以前の書き方をしているのは例えばこのエントリなどで、一部の修正したエントリ以外の過去ログはこの書き方になっているはずです。(逆に修正済みのエントリはこれこれなど。)比べてみればすぐにわかりますが、前は1行ごとに改行していたんですね。

しかし、よくよく考えると別に1行ごとに改行させる必要は何もありませんし、日本語の書き方としてもあまり正しくないように思えます。前はFC2 Blogに標準で付いているオンラインエディタを使っていましたが、今はローカルのHTMLエディタを使っているので、タグの付け方や表現方法は自由自在です。ということで、現在は段落を<P>タグで囲った形に変更しています。(FC2 Blogのオンラインエディタでは<P>タグを挿入させる機能がないため、基本的に<br>タグで改行させる形になる。)

実は少し前まで書き方……というか文章のスタイル自体にほとんど興味がなく、漠然と1行ごとにHTMLタグで改行していました。しかし、他のBlogを見てから自分のBlogに戻ってくると、どうにも読みにくいように感じます。気になって色々なBlogやサイトを見て回ると、どうやら1行ごとに改行していた私の書き方は少数派だったようですね。

Blogの書き方にはその人の特徴が現れるのか、ちょっと見て回るだけで本当に色々な書き方(フォーマット)が発見できます。私は今の書き方が読みやすいと思ってこのスタイルに落ち着きましたが、人によっては「読みにくくなった」と思う方もいるかもしれません。

ということで、調査中に発見した代表的なBlogの書き方(文章スタイル)をまとめてみました。以前の私のように書き方をまったく意識したことがない方も、一度見比べてみてどれが自分に合っているかチェックしてみてはいかがでしょうか。

文章はすべてWikipediaエクストリーム・アイロン掛けから引用したものです。文章自体は同じものですが、文章スタイルのみを変えています。

文章を改行せず段落で分ける

エクストリーム・アイロン掛け(Extreme Ironing, エクストリーム・アイロニング, 究極のアイロン掛け)は、人里離れた場所でアイロン台を広げて服にアイロンを掛けるエクストリームスポーツである。このスポーツのプレイヤーはアイロニスト(ironist)と呼ばれる。

エクストリーム・アイロン掛けを行う場所としては、難易度の高いクライミングを伴う山の斜面や、森、カヌーの上、スキーやスノーボードの最中、大きな銅像の頂上、大通りの真ん中などがあり、アイロン掛けの目的をほとんど無視して、スキューバ・ダイビングをしながら行うこともある。

エクストリーム・アイロン掛け (Wikipedia)

今現在このBlogでも採用している書き方です。多分一番スタンダードなスタイルで、引用元のWikipediaでもこの書き方が採用されています。細かい差として、先頭を字下げするか否か、する場合は空白かCSSで設定するかなどの違いがあります。

多分横書きの日本語の書き方としては正しく、個人的にも見やすく読みやすいですね。<P>タグを使えば結果的にHTMLタグが少なくなるため、容量も小さくなります。短所としては、一つの段落が長くなりすぎると読みにくくなるため、適度に段落を分ける必要があるかもしれません。また、段落はある程度意識して適切に分けないと、文章の繋がりが切れて、逆に読みにくくなる可能性もあります。

1行ごとに改行する


エクストリーム・アイロン掛け(Extreme Ironing, エクストリーム・アイロニング, 究極のアイロン掛け)は、人里離れた場所でアイロン台を広げて服にアイロンを掛けるエクストリームスポーツである。
このスポーツのプレイヤーはアイロニスト(ironist)と呼ばれる。

エクストリーム・アイロン掛けを行う場所としては、難易度の高いクライミングを伴う山の斜面や、森、カヌーの上、スキーやスノーボードの最中、大きな銅像の頂上、大通りの真ん中などがあり、アイロン掛けの目的をほとんど無視して、スキューバ・ダイビングをしながら行うこともある。

エクストリーム・アイロン掛け (Wikipedia)

以前このBlogで使っていた書き方で、1行ごとに改行タグを使用します。(Blogによっては読点で改行したりと差はある。)Blogの書き方としても比較的よく見ますが、一番使われているのは掲示板だと思われます。これは掲示板に書き込む文章自体が比較的短いことが多いため、段落で分けると全部繋がってしまうからではないでしょうか。

文章が一文で改行されるため、段落が多少長くなっても比較的読みやすいような気がします。ただし、1行の横の長さはその文自体の長さで決定してしまうため、行ごとに文字数がバラバラになります。また、当然改行が多くなるため、自動的に縦にページが長くなるでしょう。

1行ごとに1行開ける

エクストリーム・アイロン掛け(Extreme Ironing, エクストリーム・アイロニング, 究極のアイロン掛け)は、

人里離れた場所でアイロン台を広げて服にアイロンを掛けるエクストリームスポーツである。

このスポーツのプレイヤーはアイロニスト(ironist)と呼ばれる。

エクストリーム・アイロン掛けを行う場所としては、難易度の高いクライミングを伴う山の斜面や、森、カヌーの上、

スキーやスノーボードの最中、大きな銅像の頂上、大通りの真ん中などがあり、

アイロン掛けの目的をほとんど無視して、スキューバ・ダイビングをしながら行うこともある。

エクストリーム・アイロン掛け (Wikipedia)

たまに見かけるタイプ。基本的に段落という概念がなく、そのままの調子で文章が終わることが多いようです。(たまにいくつかの空改行で段落を作ることもある模様。)全体的にこの書き方で長文が書かれることはあまりなく、短文の日記などでこの書き方が使われているように見えます。

1行ごとに空改行を挟むのは、読みやすくするのが目的の場合と、文章の表現としておこなう場合があるようです。ただ、行間を空けるだけなら改行せずにCSSでカスタマイズできますから、改行を挟まざるを得ないときは文章の表現としておこなうときだけでしょう。一般的には好き嫌いが分かれる方法だといわれています。

一定の文字数で改行する

エクストリーム・アイロン掛け(Extreme Ironing, エクストリーム
・アイロニング, 究極のアイロン掛け)は、人里離れた場所でアイロ
ン台を広げて服にアイロンを掛けるエクストリームスポーツである。
このスポーツのプレイヤーはアイロニスト(ironist)と呼ばれる。

エクストリーム・アイロン掛けを行う場所としては、難易度の高いク
ライミングを伴う山の斜面や、森、カヌーの上、スキーやスノーボー
ドの最中、大きな銅像の頂上、大通りの真ん中などがあり、アイロン
掛けの目的をほとんど無視して、スキューバ・ダイビングをしながら
行うこともある。

エクストリーム・アイロン掛け (Wikipedia)

まれに見かけるタイプ。文字数はBlogによって変化しますが、特定の文字数で改行するため、見た目は文字の箱のように見えます。

メールなどは特定の文字数で改行することが推奨されている(いた?)ため、そのルールでそのまま書いているのだと思われます。ただ普通は繋げて書いても文字は右端で折り返されますし、逆にブラウザのサイズによっては中途半端なところで改行されるはずです。Blogでの文章の書き方としては、あまり見やすくないように思えますね。

装飾と改行を多用する

エクストリーム・アイロン掛け(Extreme Ironing, エクストリーム・アイロニング, 究極のアイロン掛け)は、人里離れた場所でアイロン台を広げて服にアイロンを掛けるエクストリームスポーツである。




このスポーツのプレイヤーはアイロニスト(ironist)と呼ばれる。



エクストリーム・アイロン掛けを行う場所としては、難易度の高いクライミングを伴う山の斜面や、、カヌーの上、スキーやスノーボードの最中、



大きな銅像の頂上、大通りの真ん中などがあり、



アイロン掛けの目的をほとんど無視して、スキューバ・ダイビングをしながら行うこともある。

エクストリーム・アイロン掛け (Wikipedia)

現在ではほとんど見かけませんが、かつて流行った表現の方法として上記のようなものがありました。ジャンルとしては「フォント弄り系」と呼ばれていたようです。今回は中途半端に再現したに過ぎませんが、実際はもっと多くの改行と派手な文字の装飾がおこなわれています。

2008年現在でこんなBlogを見かける可能性はほとんどありませんが、読み物のオチなどで大きな文字が使われていることがあるようです。また、Blogサービスに標準で用意されている絵文字を多用すると、派手さという点で似たような印象になるかもしれません。前出の「1行ごとに1行開ける」よりもさらに好みが分かれるところでしょう。

万人に読みやすい書き方は存在しない

あなたには読みにくくても、私には読みやすい

イントロダクションでも書きましたが、今の書き方に変更したのはあくまで私が見やすいと考えたからです。他の人にとってこれが読みやすいかは、残念ですが自分ではわかりません。

上記のように一言でBlogの書き方といっても様々なやり方がありますが、そのスタイルを採用している人は、当然自分が読みやすいと思っているからその書き方をしているはずです。わざわざ自分で「読みにくい」書き方をするとは思えませんしね。(例えばPCから見ると変な書き方でも、それは携帯端末で読むのに特化した書き方かもしれません。)

私からみて「見づらいサイト」も、作者は「これがいい」と思ってそうしているのですね。文字を点滅させたり、スクロールさせたり。明度差の小さい配色、派手×派手の色づかい。すべて作者の美意識の発露であって、何の悪意もない。

(ほぼ)みんな善意でそのデザインにしている (趣味のWebデザイン)

Webデザインにも当然ある程度の「定石」がありますが、それを採用するかどうかは結局のところ運営者自身が決めることです。今回の文章の書き方についての評価も「私はそう思う」という程度の話であって、一般化して話を進めることなんてできません。「すべての人を満足させる文章」が書けないのと同じように、「すべての人を満足させるBlogの書き方(デザイン)」も存在しないでしょう。

試行錯誤自体には、きっと意味があるはず

ただ色々な書き方があるのを認識して、それから自分が満足するものを選ぶのは意味があることだと思います。私も以前の自分の書き方と違うBlogを見て、それから「変えた方がいいかも」と考えたわけですしね。上記の例はあくまで私が見つけた中の一部に過ぎませんから、これらを参考にして自分にとって「見やすい」書き方を模索するのもいいのではないでしょうか。