Blogのアクセスアップに効果があるたった一つのこと

自分のサイトに人を呼びたいというのは、サイト運営者にとって昔から頭を悩ませる問題の一つでしょう。私もWeb上で情報を発信している以上は、ある程度の人に読んでもらいたいとは思っています。誰にも読まれなくていいならば、リスクを冒してWeb上に書くことなどせずに、最初からチラシの裏にでも書いていますからね。

前にランキングサイトはアクセスアップに効果がないというエントリを書きました。あそこに書いたのは私の率直な感想ですし、実際にアクセスアップの効果もほとんどありませんでした。とはいえ、「効果がなかった」という情報だけ書いても片手落ちというものです。

ということで、今回は無名・新規Blogでも着実に効果があるアクセスアップ方法の話をしようと思います。実例としてこのBlogのパターンを出しますので、参考にしてみてください。

最初は誰でも6hot(6Hit)

まず最初に最近Blogを始めた方に知っていて欲しいのですが、始めたばかりのBlogに人がどんどん来るということはまずあり得ません。これは内容の善し悪しの問題でなくて、単純に知名度が皆無だからです。

私の感覚だと、今も数年前もブログの新規参入の障壁はさして変わっていないように思える。というのは、いろいろと試してみたいことがあったりして、実験的にいくつかのブログサービスで新規ブログを作成していたりするのだけども(全く別ハンドルでこことは関係のない内容)、ブログ開始当初にくるアクセスが数アクセス~数十アクセス/日という状況が私が最初にブログを始めた2003年頃から変わっていないから。

ブログを始めてからアクセスが伸びるまで (北の大地から送る物欲日記)

上記の引用元のサイトは多くの方に読まれている有名なBlogですが、太字の部分はこのBlogを始めたときの状態とまったく同じです。実際の例として、アクセス解析で集計した、このBlogを再開した直後の2007年12月1日~15日のユニークアクセス数を書いてみます。(ちなみに再開して最初の記事は2007年11月28日に投稿したもの。)

  • 01 - 2 アクセス
  • 02 - 7 アクセス
  • 03 - 2 アクセス
  • 04 - 4 アクセス
  • 05 - 1 アクセス
  • 06 - 0 アクセス
  • 07 - 6 アクセス
  • 08 - 3 アクセス
  • 09 - 4 アクセス
  • 10 - 9 アクセス
  • 11 - 8 アクセス
  • 12 - 8 アクセス
  • 13 - 25 アクセス
  • 14 - 15 アクセス
  • 15 - 6 アクセス

累計アクセス - 100 平均アクセス - 6.67人/日

ネット上のスラングで「6hot」という用語があるのですが、平均値を見ればまさにそのものであることがわかります。しかもこれは自分のアクセスを除外せずに集計したデータのなので、実際はもっと少ないということになります。場合によっては本当に「誰も見ていない」のです。(ちなみに13日にアクセス数が少し増えているのですが、原因は不明。どこかにリンクが張られたというわけでもない。)

1日当たり6ヒットくらいしかないウェブサイトのこと。

名前の由来は2ちゃんねるの「1日6hotだけれど~」スレ(hotはhitのよくあるTypo)。

6hotとは (はてなダイアリー)

(注・Typoというのは単純なタイプミスのこと。)

使用するBlogサービスにもよるでしょうが、最初はこんなものだと思って間違いはないと思います。(はてなダイアリーなどのより繋がりやすいBlogサービスなら、もっと楽にアクセス数が増えるかもしれませんが。)

Blogを始めれば人がどんどん来るという幻想

Webは超競争社会

今や日本のBlog数は世界一ともいわれています。

言語別で見ると、第4四半期に最も多かったのは日本語のブログだった。日本語ブログがブログ全体に占める割合は37%で、前四半期の33%から拡大。シェアを39%から36%に落とした英語ブログを追い抜いた。

世界で最も多いのは日本語ブログ――Technorati調査 (ITmedia News)

つまり世界中のBlogの中で日本語Blogが一番ありふれていて、あなたのBlogのライバルはあきれるほどたくさんいるわけです。この恐ろしいほど多いBlogの中で、他のBlogを出し抜いてアクセスを集めるのはそう容易ではありません。むしろ「埋もれてしまって当たり前」と考えた方が自然なのです。

こういうデータもあります。

では、気になる訪問者数を見てみよう。同じくすべての回答者に1日あたりの Blog の訪問者数を尋ねた。

その結果、1人~50人の間に回答が集中しており、内訳は「10人~50人未満」23.0%(69人)、「5人~10人未満」17.7%(53人)、「1人~5人未満」19.0%(57人)となっている。「1人未満」7.3%(22人)を加えると全体の67%だ。

Blog 訪問者「50人以上」には相変わらず越えられない壁~ブロガー調査 (japan.internet.com)

1日あたりの訪問者数が9人以下のBlogが44%、49人以下のBlogを含めると67%ということです。9人以下のBlogを6hotサイトとするなら、ほぼ半数はそこに含まれるわけです。いつも人気Blogを見ていると気がつかないかもしれませんが、アクセス数が少ないBlogの方が圧倒的多数なのですね。

他人のBlog、読んでますか?

まず自分の例を考えて欲しいのですが、あなたは他のBlogを1日にいくつぐらい読んでいますか?私はRSSリーダーとSBMを使っていて、多いときには100記事ぐらい流し読みしますが、そんな人はそう多くないはずです。アンケート調査でも以下のような結果が出ています。

定期的にチェックするサイトの数を尋ねたところ、「4~5」33.1%(109人)が最も多く、「2~3」23.7%(78人)、「6~10」22.5%(74人)、「11以上」15.8%(52人)となり、約9割が2~3つ以上のサイトを定期的に閲覧しているようだ。

オンラインブックマークサービス、利用者はわずか2% (japan.internet.com)

2~5のサイトしかチェックしない人で56.8%、10までチェックしている人を含めると79.3%です。つまり、約8割の人は多くても10程度のサイトしか見て回らないわけです。

Blogを開設したとしても、その数少ないお気に入りやブックマークに入れてもらうのはそう容易ではありません。まず真っ先に入るのは、知名度がある有名サイトや知り合い・付き合いがある人などのサイトでしょう。(mixiなども含む。)知名度が皆無な新規Blogの読者が、短期間でどんどん増えるわけがないのです。

未だに終わらぬブログブーム

Blogの数が増えていっても、読者が増えなければBlogは限られたアクセス数のパイを奪い合うしかありません。

情報媒体には当然のことながら二つの側面がある。受信と送信だ。ブログで言うと、「読む」と「書く」の二つに分類される訳で、もうちょっともって回った言い方をすると、ブログは「読む対象としてのブログ」「書く対象としてのブログ」の二つに分けられる、という言い方が出来るだろう。

~中略~

書く人が増えているのが事実だとして、読む人もそれに見合うペースで増えているかというと、どうもそう上手くは行っていない様に思えるのである。

~中略~

「書く」人は増え続けているのに、「読む」人の数がそれに追いついていない。あるいは、「読む」人の訪問先は一定しており供給が偏る。ブーム自体が書き手の供給過剰を起こしているという訳だ。

「ブログブーム」の特殊性 (不倒城)

引用元のエントリは少し古く2005年に書かれたものですが、私の認識としては今も変わらないのではないかと思います。相変わらず書き手は増えているが、読み手の増加は同じ程度かむしろ少なく、読む量も大して変わっているようには考えられないのです。

引用元のエントリの最後ではRSSリーダーの普及についても書かれていますが、2008年になった今でも未だに広く普及しているとはとても言えません。理由は色々あるでしょうが、一番の理由は読み手側がRSSリーダーを使ってまで、記事を大量に読む必要性を感じていないからではないでしょうか?

1日に10弱のサイトを回るだけなら、RSSリーダーなんか使わなくても、十分ブックマークで不自由は感じないと思います。(ただこれは、RSSリーダーを使わないからたくさん読めないという考え方もできるでしょうから、卵が先か、鶏が先かという話になりそうですが。)

新規Blogはどこからアクセスを得るべきなのか?

リンクを得るのは難しい

まったく新しいBlogを見つける機会というのは、普通はどういう時にあるでしょうか?一般的には以下の二つではないかと思います。

  1. 自分の巡回サイトからリンクが張られている
  2. 検索エンジン経由で見つける

(私はさらにSBM経由で見つけることが非常に多いのですが、これはあまり一般的ではないと思うので除外。)

1は巡回サイトでBlogが紹介されていたり、言及されていたり、リンク集に追加されていたりしたときでしょう。ただこれは先方が自分のBlogに気がついてくれないと、物理的に実現することはありえません。ましてやリンクするかどうかは相手次第であり、自分でどうこうなる話ではありません。

しかし、Blogにはトラックバック(TB)があります。スパムの横行などでイメージ自体が下がったり、受け付けていなかったりするところも多いですが、自分のBlogを知ってもらう手段としては未だ有効だと思います。ただ、宣伝目的のTBはただのスパムであり、迷惑を掛けるだけです。きちんとした言及記事を書き、相手をうんざりさせないことが重要です。そういう意味では、結構ハードルが高い方法ともいえるかもしれません。

検索エンジンを味方に付けよう

2こそ私がお勧めしたい方法です。というのも、これならTBと違い相手に迷惑を掛ける可能性はありません。そもそも2は放っておけば勝手に実現されるので、こちらからやることはほぼ何もないのです。

下の表は12月下旬~3月中旬までの、このBlogのアクセス数のグラフです。

12月下旬~3月中旬のアクセス数グラフ

見てわかるように、まったく安定していません。前出のとおり、外部からリンクが張られるかは自分ではどうしようもありません。リンクが張られればアクセスは増えますが、時間が過ぎれば減ります。この辺りは運が関係してきますので、場合によってはずっと紹介されないかもしれないのです。

次の表は上記と同じ期間である12月下旬~3月中旬までの、検索エンジン経由でのアクセスグラフです。

12月下旬~3月中旬の検索エンジン経由数グラフ

ある程度の変動はありますが、ほぼ右肩上がりなのがわかります。初期は見事な6hotサイトであったこのBlogも、今は検索エンジン経由でそれなりのアクセス数があるのです。

これは単純な話で、一度投稿したエントリは消さない限り残り続けます。最初の頃は数えるほどしかないエントリ数でも、書き続けていけば10~100~1000と増えていきます。検索される母数が増えていきますから、自動的に検索に引っかかってくる可能性も上がるのです。

他にも書き続けることによって得られるメリットがあります。検索エンジンが主に評価するのは外部からのリンクですが、内部リンクも評価に含まれています。多くのBlogテンプレートにはサイドバーがついており、そこに過去ログなどのリンクが張られています。つまり、エントリ数を増やせば、内部リンクの数もどんどん増えていくわけです。

Googleウェブマスターツールの内部リンク数表示

上の画像はGoogleウェブマスターツールでわかるデータです。このBlogはエントリ数が現時点でまだ100にも達していませんが、見てのとおり、内部リンクが8400以上ととんでも無い数になっています。Blogはただ書いていくだけで、網の目のようにリンクが張られ、内部リンク数が増大していくのです。この時点で、Blogは普通のWebサイト(ホームページ)などに比べて優位に立っているといえます。(とはいえ、昔に比べてBlogの内部リンクの優位さはかなり落ちているようですが。)

まとめ - 諦めないで続けてみよう

使っているBlogサービスにもよるでしょうが、(有名人でもない限り)最初から人気Blogという状態はまずありません。最初は誰も見に来ないのが当たり前だと思ってください。

理由は知名度が皆無なのと、ライバルが多すぎるからです。リンクはまず知ってもらないと張ってもらえませんし、始めたばかりでは検索エンジンにもインデックス(登録)もされていません。根本的に人が流れてくる経路自体がないのです。

ただ、ここで諦めてしまっては何も始まりません。こつこつと続けてこそ、芽が出る機会があるのです。やめてしまえばそれで終わりです。(実際に開始2週間ぐらいで更新が止まるBlogは相当数あるようです。)

とりあえず真っ先にやっておくべきなのは、検索エンジンに登録をしてもらうことでしょう。各検索エンジンの登録は下記のリンクからできます。

他にもよりサイトを効率的に管理できるツールなどが各検索エンジンによって用意されていますが、とりあえずはこれだけでも構わないはずです。

アクセスアップの方法はWeb上にたくさん書かれていますが、一番重要なのはとにかく「続けていくこと」だと思います。私を含めて大概の人は「凄い情報」や「人並み外れた知識」なんてありませんから、地道に続けていくしかないのです。そうすれば、ある日検索エンジン経由で他のサイト運営者の人が見つけてくれて、リンクを張ってくれるかもしれません。先ほどのグラフでアクセス数が飛び抜けている時期がありますが、あれは運良く大手ニュースサイトに紹介されたときです。早々に諦めていてたら、あの様なこともなかったでしょう。

結果は確実についてくるとはいえませんが、開始1~2週間で放置されたBlogが多くの人を呼べないことは確かだと思います。絶対毎日更新などと気を張る必要はないと思うので、とりあえず自分のペースで続けてみてはいかがでしょうか?大手サイトと呼ばれるところも、ほとんどは最初から大手だったわけではないのですから。