ある日アクセスカウンターを見てみると、普段ではあり得ない数値が表示されていて驚くということがあります。それは例えばYahoo経由のアクセスだったり、個人ニュースサイトに取り上げられていたり、はてなブックマークの人気エントリー入りが原因だったりするかもしれません。
なぜこんな話題から入ったかというと、下記のエントリを見て思うところがあったからです。
はてなブックマークの瞬間的な破壊力は大きい。以前にはてなブクマがそこそこついたブログにおける過度体裁愛好症についてとかクリックしてねはうざったいとかも、瞬間のアクセス数はすごかった。だけどそのアクセスアップは特売セールに人が群がるのと同じで、セールが終わればいつもの客数に逆戻りしてしまう。新規ユーザの目に触れる機会を作るという意味ではこの破壊力はバカには出来ないので全く意味がないとは言えない。だか、所詮その程度なもんだよなというのが本音だ。
はてなブクマは突風でしかないかも (おやじまんのだめだこりゃ日記)
私も上記の意見にはほぼ同意見で、はてブ経由のアクセスは一時的な集客能力は高いものの、継続的なアクセスを生み出すものではないと思っています。理由は単純で、はてブ経由のアクセスの多くが人気・注目エントリーからなのに、そこに表示されている時間は短いからです。(ただ人気エントリーの具体的な効果はちょっとわかりません。注目エントリーまでしかいったことがないので。)
ところが、世の中にはそうでないサイトもあります。定期的にはてブがつくサイトです。そういうサイトの場合、すでにはてブは突風ではないと考えた方がいいのでしょうか?
はてブが付くサイト、付かないサイト
定期的にはてブが付くサイトといえば、真っ先に思いつくのがアルファブロガー(のBlog)です。ひとつのエントリにはてブが100以上付くのは、別に珍しくも何ともありません。むしろ付くのが当たり前という世界でしょう。
もちろん、世の中にアルファブロガーがたくさんいるわけではないので、ほとんどのBlogはそれ以外ということになります。このBlogも当然のごとくそれ以外に含まれます。では、アルファブロガーのみがいつもはてブ経由のアクセスを常時得ているかというと、どうもそういうわけではないようです。
ブックマーカーにあまり認識されておらずブックマークがなかなか付きにくい一般層(世の中の大半のブログはここ、0~数ブクマ程度)、常にある程度のブックマーク数が期待される中堅層(数~数十ブクマ程度)、頻繁に大量ブックマークが期待されるトップ層(数十~数百ブクマ程度)という感じで。
ブロガーから見たはてなブックマーク (北の大地から送る物欲日記)
上記の例に当てはめると、トップ層がアルファブロガーと超大手Blog、中堅層が大手個人Blog、一般層がそれ以外ということになるでしょう。(もちろんアルファブロガーにもジャンルの違いがありますから、「アルファブロガー=大量のはてブを得ている」というわけではありません。はてブはIT系などの情報に偏っているため。)
はてブが突風でないサイト
「一般層」のBlogにとって、はてブ経由のアクセスはまさに「突風」でしょう。短時間に大量のアクセスがあり、その後波が引くようにアクセス数は激減します。これはイントロダクションで書いた個人ニュースサイト経由のアクセスなども同じで、その影響が延々と続くことはあり得ません。アクセス元のサイトの更新速度にもよるでしょうが、(実体験から)多分3~4日後ぐらいにはアクセスが元に戻っていると思います。
それでは、「一般層」以外の「トップ層」と「中堅層」はどうでしょうか?
特にこれはトップ層のBlogに顕著だと思うのですが、多分この規模のBlogになると「はてブは付いて当たり前」「はてブ経由のアクセスは織り込み済み」な状態になっているように思えます。つまり、はてブが突風なのは「一般層」だけで、トップ層や中堅層のレベルになると驚きもしないし、むしろ付かないことが不満に思えてくるのかもしれません。
これは上記の北の大地から送る物欲日記さんがエントリを書く要因となった元エントリを読んでも、多分的は外れていないように思えます。
きょうび、イケてる「人気のはてブ」は500とか3桁のオーダーは普通だから、F's Garageみたいに、常に10ぐらいのブクマ数のところでは相対的にほとんど効果が得られなくなってしまった。
~中略~つまり単純に、はてブのhotentryにちょびっと出るだけでは、ほとんど効果はなく勝ち組負け組が結構はっきり差が出るようになっちゃって、中途半端な位置に居続けるF's Garageには厳しくなったなぁ~~というところ。
1はてブあたりの価値が下がっている。 (F's Garage)
これははてブと縁がない一般層から見ればもの凄い自慢で、現実でいえば人も羨む富裕層が「ビル・ゲイツ並の資産がないと負け組だよね~」といってるような感じではないでしょうか。トップ層や中堅層なんてネット全体から見れば、本当に極一握りのサイトだけなのです。常に10ぐらいのブクマ数
の時点で、普通に考えれば異常事態なんですよ。
ただ逆に考えれば、トップ層や中堅層にとってははてブは突風でも何でもなく、通常のアクセスとして扱える「地力」になっているのでしょう。よくニュースサイトに取り上げられるBlogなども、それはすでに日常になっているでしょうから、これも突風などと思っていないと考えられます。そのBlogの立ち位置によって、同じ風でも突風にもそよ風にもなってしまうということです。
ブロガーはなぜアクセス元にこだわるのか?
突風アクセスと地力アクセス
これは私もそうなのですが、普段と比べアクセス数が極端に増えた場合、大概のブロガーは「異常な」事態が起こったと感じることでしょう。それは「津波アクセス」と呼ばれたり、「ニュースサイト砲」といわれたりと、特別な名前がつくことから考えても、アクセス数が増えただけではない何かがあるのではないでしょうか。
このことから考えると、ブロガーは「どこからアクセスがあった」ということに対して、何らかの意味を見いだしているということになります。「普段」のアクセスがあるからこそ、「特別」なアクセスがあるわけです。書き方を変えれば、どこからのアクセスをBlogの「地力」と考えているかということです。
私個人の考え方だと、「ブックマーク」「検索エンジン」「(BlogPeople以外無いけど)相互リンク」「RSSリーダー」辺りが「地力」アクセスのような印象を持っています。大手サイトになると、さらに「SBM(はてブ)」「ニュースサイト」「他のBlogからの文中リンク」辺りが入るのかもしれません。
上記の例で考えるとすると、日々で比較的安定したアクセスをもたらすものが「地力」、乱高下するものが「特別」なのでしょうか?
そうだと考えると、「よくはてブが付く」「よくニュースサイトに取り上げられる」という認識を持った時点で、そのブロガーはそこ経由のアクセスを「突風」と考えなくなるのでしょうか? 私は自分の認識しかわからないので、他のブロガーにちょっと聞いてみたい気もします。
突風アクセスって宝くじみたいなものでは?
ここまで書いていてなんですが、私はアクセス元にこだわる必要があるのかな?という認識を持っていたりもします。検索エンジン経由からのアクセスも、ニュースサイトからのアクセスも同じアクセスじゃないかと。(商売でやってるなら別ですが。)
ブロガーがアクセスアップをしたいと考えるのは、大概は自分のエントリを多くの人に読んでもらいたいという、ただそれだけじゃないでしょうか。(もちろんアクセスが増えて、アフィリエイトがどうのってのはあるかもしれませんが。)そう考えると、検索経由から読んでもらうのも、ニュースサイト経由で読んでもらうのも、大して変わらない気がします。経由元が違うだけで、「読んでもらう」という目的は達しているじゃないかと。
はてブやニュースサイトからのアクセスは、一般層にとってはたまたま宝くじが当たったようなもので、運良くたくさんの人に読んでもらう機会ができたといえるんじゃないでしょうか。一カ月で2000人に読んでもらうのも、1日で1900人、残りの日数で100人に読んでもらうのも、あまり変わらないように思えるのです。
はてブで狙う一攫千金
イントロダクションで引用したエントリは、このような締めくくりで終わっています。
実際あのエントリは「はてなブクマ」という注目を集めやすい話題を書いたというだけで、エントリ自体は面白くもなんともないし役に立つ情報もまったく入っていない。
~中略~突風狙いもいいけれど、こういう息の長いエントリを多く持ちたいものだね。
はてなブクマは突風でしかないかも (おやじまんのだめだこりゃ日記)
役に立つかどうかは別にして、とにかくたくさんの人に読んでもらいたい!と思っている人も多分いるでしょう。そういう立場から考えると、アクセスの地力がどうの、突風がどうのと考えること自体、ほとんど意味がないのかもしれません。
読まれるという結果が同じならば、とにかく一発狙いのエントリを書き続けるのもありかもしれません。口には出さないけど、「はてブの人気エントリーを虎視眈々と狙っている人」というのは、意外にたくさんいるのではないでしょうか。
普段のアクセスは少ないが、何回かのヒットで1年分のアクセスを叩き出すサイトを目指すという、一発屋的なBlog運営も一つの方法かもしれませんね。(「炎上で」では困りますが。)
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