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安価でEDIE保持機能が付いたHDMI切替機(セレクター)「CKL-21M」を試す

CKL「CKL-21M」

 「映像入力端子が足りない!」という時に使うものと言えば、AVセレクターだ。近年のテレビやディスプレイは、廉価モデルだと入力端子の数が限界まで削られていることが多く、「新しく買った機器が接続できない」ということもそこまで珍しくない。アナログがメインだった時代は黄白赤のコンポジット(RCA)端子や、S端子 / D端子を切り替えるものが多かったが、今や映像と言えばHDMIで接続するのが一般的であり、HDMIセレクターがその主役に躍り出たと言えるだろう。

 だが、HDMIでの接続は従来のアナログ接続と比べるとデジタルであるという以外にも、大きな違いがある。それは接続機器同士が、「EDID」(Extended Display Identification Dataの略)という規格によって通信をおこなっていること。これによって「接続した機器がどんなビデオ/オーディオフォーマットに対応しているか」が機器側で判別できるため、自動で適切な解像度などに変更してくれるというメリットが発生するが、代わりにEDIDのやりとりが適切におこなえなかった場合に、不具合が発生することがある。これはどんな機器でも起こりうるが、特に問題が表面化しやすいのがPCを接続したときだ。

 使用するOSやビデオデバイスにもよるが、具体的には「モニタやディスプレイ自体を見失う」「画面の解像度が低いもの(例えば1024×768など)に勝手に変更される」「HDMI経由で繋いだオーディオ機器(デバイス)が認識されなくなる」といった事態が発生しやすい。HDMI切替機でも安価なタイプは、単に機械的(物理的)や電気的に切り替えるだけという仕組みであるため、この手の問題が発生する確率はかなり高い。これは内部的には、スイッチによって「物理的なケーブルの抜き差し」と同様の動作がおこなわれるだけだからだ。

 上でリンクした記事にも書いてあるが、PCの場合これらの問題を手動やフリーソフトで解決する方法もあるが、「電源ON時に切り替えるだけで不具合が多発する」では使いにくくてしょうがない。したがってもう一つの方法、「実際の機器の接続に関係なく、EDID(の送信)を保持し続ける機器を導入する」を取りたいところだ。そしてこのような「EDID保持器」といったものは売られているが、実はHDMI切替機に機能が搭載(内蔵)されているタイプが存在するのだ。

 といったところで導入が長くなったが、「安価でEDID保持機能が付いたHDMI切替機」を買ってみたので、そのレビューをお届けしよう。結論から先に書いておくと、かなりいい感じの一品だった。

1080p以上に対応し、かつEDID保持機能を持つ「掘り出し物」のHDMI切替機

B01M1LJQ47

 Amazonで購入したこのHDMI切替機、Amazonのページに商品名もメーカーの記載もないというアジア製品に良くある「怪しさ満点」の製品だが、中国のCKLという企業の「CKL-21M」という切替機のようだ。公式ページもあり、スペックや型番が記載されている。

 機能的には「入力2/出力1」の一番シンプルなタイプの切替機で、HDMIケーブルなどは付属していない。切り替えはスイッチ式で手動タイプだが、自動切り替えにも対応しており、「接続した機器の両方の電源が切れた状態で、片方の電源を入れるとそちらに切り替わる」という動作をする。すでにどちらかの電源が入った状態では切り替わることはないし、使用中の機器の電源をOFFにした場合も手動で切り替える必要があるので、機能的には「半自動」といった感じだろうか。

 本体はHDMIによるバスパワーで動作するため、自分の環境では外部電源は必要としなかったが、HDMIから適切な電力が供給できないときに使うと思われる、USBケーブルが付属していた。小型のデジタルガジェットや一部のノートPCでは、HDMIのバスパワーが弱いことがあるらしいので、そのような機器を接続するときに使うのだろう。なお、動作時に点灯するのは、「どちらのHDMI入力に切り替わっているか」を表す暗めのオレンジ色のLEDだけだ。

 ある意味本機のメインとも言えるEDIDの保持機能は、入力1と2に接続した機器に、出力に接続したディスプレイなどのEDIDを出力し続ける機能だ。これによってどちらの入力に切り替えても、PCからは「ディスプレイがずっと繋がった状態」に見えるので、勝手に解像度が切り替わったり、サウンドデバイスを見失ったりしない。実際にPCで使っていてもトラブルなく使用できて快適だ。HDCPにも対応しているので、著作権保護された動画も問題なく見ることができるのも嬉しいところ。

 またEDIDは「出力側に接続した機器の対応フォーマットを、そのまま保存して出力する」タイプだったので、ハードが対応していると明示している「1080p / 60Hz」を超えるフォーマット、具体的には「WQHD(2560×1440) / 60Hz」でも使用できた。実は自分の使用しているディスプレイはWQHDなのだが、通常のAV機器(というかテレビ)ではこのような解像度を採用した製品はほとんどないので、HDMI 1.4までの対応にとどまる(HDMI切替機を含めた)機器では、1080p / 60Hz以上のフォーマットへの対応を明記しているハードはほとんどない。
 理論上はHDMI 1.4でも、WQHDを含めて1080pを超える解像度は扱えるのだが、一般的にはそれ以上のAV用フォーマットというと4Kになってしまうので、「HDMI 2.0に対応した機器を使え」といった流れになってるのだ。一言でいえば「使えても使えなくても自己責任」といった状況にある。

 したがってこのHDMI切替機をWQHDのディスプレイで使えるかは、ちょっとした博打だったのだが、無事に使用することとができた。4Kはさすがにわからないが、あまり一般的でない変則的な解像度のディスプレイでも、EDID保持機能を含めて使うことができそうだ。

安っぽいが、機能的には十分。HDMI切替機をPCで使いたいならおすすめできる

 本機の一番の弱点は「安っぽい」ところだろうか。本体は全体がプラスチックで印刷も黄色と高級感とはほど遠く、オレンジのLEDも含め全体的にかなりオモチャっぽいが、まあこれは実際に安いからしょうがないだろう。そもそもパッケージや中身の説明書を含め、日本向けの記載は一切ない。輸入したものをそのまま売っている、という状態だ。

CKL-21Mのコネクタ部
CKL-21Mのコネクタ部分。入出力が横一列に並んでおり、設置時に邪魔になりにくい。横にはUSBから給電する電源コネクタが付いているが、使わなくても自分の環境では特に問題なく動いた

 とはいえ縦4.5cm×横8cmとコンパクトで置き場所を選ばず、コネクタも外部電源を除けば一か所に集中しているのでかさばりにくいため、使い勝手は良好だ。とにかく2000円台でEDID保持機能が付いているHDMIセレクターと言うだけで価値があり、おまけにバスパワーで1080p以上の解像度でも動作するのだから個人的には文句はなく、いい買い物だったと感じた。
 HDMI切替機を使う必要があるが、EDIDによるトラブルに悩まされたくないなら、おすすめできる商品ではないかと思う。