大人の事情で安くゲットできる、ロジクールのワイヤレスゲームパッド「F710r」をレビュー

ロジクール F710r

今年(2016年)の頭に、ロジクールのワイヤレスゲームパッド「F710r」を購入した。元々無線のゲームコントローラーは前から欲しいと思っていたのだが、以下の記事を読んで安く(2000円弱)入手できることを知り、いいきっかけと感じて購入するに至った。正確には大量に売れ残った(と思われる)クラウドゲーム機の付属品なのだが、基本的にどこも本体を無視して「コントローラー」として考えているようで、実際に販売元でもコントローラー部分だけを切り離して同じ値段で売ってたりする。

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実際のハードウェアとしては、PSシリーズの標準コントローラーであるデュアルショックタイプのレイアウトのゲームパッドで、かつ振動機能も搭載されているモデルだ。PC向けの安価なゲームパッドでは、有線で振動機能もないものが多い中で、「全部入り」といってもいいコントローラーとなる。

またこのブログでは、以前同じロジクールの「F310r」をレビューしたことがあるが、その「無線版」と言い換えてもいいだろう。実際にその形状は、ケーブルの有無を除けばほぼ「F310r」と同じで、ボタンの感覚や握り心地は極めて良く似ている。

というわけで以前と同じことを書いてもあまり意味はないので、この記事では主に「F310r」との違いに絞ってレビューしてみたい。純粋なゲームパッドとしての使い心地は、上のリンク先の記事を参照していただきたい。

なお、実際に手元にあるモノ(というか上記のG-clusterに付いているタイプ)は型番変更前の「F710」なのだが、ハード的な違いはないとのことなので、ここでは現行の「F710r」に型番を統一して話を進める。いちおう商品としては以下のような違いはあるとのことなので、実際に購入する段階では(価格差はあるが)好きな方を選べばいいだろう。

  • ドライバディスクの有無。「F710」には8cmCDとして付属していて、「F710r」には付属していない(Windows標準ドライバで動くが、別途必要な場合は公式サイトからダウンロードする)
  • 保証期間の長さ。「F710」は1年で「F710r」は3年

ドライバディスクに関しては、現在ではほとんど付属している意味もないので、実質的な違いは保証期間のみと考えれば良さそうだ。

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使い勝手はシリーズの有線タイプとほぼ同じだが、無線のコントローラーはやっぱり便利

前述の通りにF310rとの違いを中心に挙げていくが、やはり一番のポイントは「無線であること」だ。コンシューマーゲームでは、PS3やXbox 360といったHD時代からゲームパッドは無線が標準となり、使う場所を選ばなくなった。F310rからF710rに変えたときも、当然これが一番のメリットとなり、やっと「ゲーム機同じ」ようにゲームをプレイすることができたのが結構感動した。離れたり、寝転がったり、立ったりするのも自由で、PC本体の近くにいる必要はすでにない。やっぱり「ケーブルはあったらあったで邪魔」なのだ。

また、振動機能が付いたことも地味に嬉しい。最近のPCゲームはコンシューマーとマルチ展開になるのが当たり前で、振動機能も任意で切ることはできても「あって当然」という立ち位置になっている。フィードバックが手元にあるのはゲームの没入感を高めてくれるし、場合によってはヒントのように使われてることもあるため、それだけプレイに有利に働く。PCゲームの場合、スペックさえあればグラフィックはコンシューマーゲームを上回れるが、コントローラーのようなインターフェースも重要な「ゲームの一部」なので、こだわれるならこだわっておきたい。

個人的に一番F710rで驚いたのは、とにかくバッテリー(電池)が長持ちすること。本機は単三電池2本で動くのだが、年始に使い始めてからこの記事執筆時点(4月末)まで、まだ一度も電池を交換していない。振動機能ONでゲームに軽く100時間以上使っているが、今も元気に動作し続けている。しかも使用しているのはアルカリ電池でなく、充電池のエネループだ。省エネ性は本当に高いようで、この辺りは無線マウスなどの技術が生きているのかもしれない。

ボタンやキーなどの使い勝手はF310rと同一で、連射機能などの付加価値はないが、XInput対応ゲームでまったく問題なく「握るだけ」でプレイを始めることができる。当たり前だがUSBの受信機(ドングル)はPCに差しっぱなしでいいので、ケーブルのことは本当に気にしなくていいのだ。この点は、毎回PC前面のUSBポートにコネクタを差して使っていたF310rと大きく違うポイントで、とにかく楽なのが嬉しい。

F310rもいちおうまだ手元にあるが、現在ではほとんど使っていない。F710rは上位モデルの名に恥じることなく、自分の環境ではほぼ完全に置き換えに成功している。

無線で便利な「F710r」だが、気になる点もそれなりに。場合によっては有線の方がいいことも

見出しのように、無線でケーブルを気にすることなく使えるF710rだが、「LRトリガーが固め」といったF310rと同じシリーズであるゆえの弱点を除いても、気になるポイントはいくつかある。それぞれ理由をつけて挙げていこう。

まず真っ先に気がついたのは「重い」ということだ。電池を外した“素”の状態でもその重さは「233g」で、単三電池2本(エネループ)を入れると「285g」となる。これはPS3付属の軽めのコントローラー DUALSHOCK 3の「170g」と比べれば相当にヘビー級で、重くなったPS4のDUALSHOCK 4の「241g」と比較してもまだ重い(以上すべて実測)。軽くてシンプルだったF310rに比べ、振動用モーターなどが追加されているのが重量アップの理由だろうが、男性ならともかく、女性だと長時間の使用に違和感を覚える……といった場面もあるかもしれない。

他には無線の電波がかなり弱めのようで、PCの裏側にUSB受信機を接続すると、頻繁に通信が途切れてしまい、はっきり言ってほぼ使い物にならない状態になる。PCに接続する際は前面USBポートを使うか、背面端子を使うなら付属の延長ケーブルの使用は必須だ。設置場所の融通が効くので、延長ケーブルの方が個人的には使い勝手が良かった。

通信は受信機側を適切な場所に置けば基本的に安定しているが、まれに乱れることもあるようで、「瞬間的にレバーが入りっぱなし」になることがある。頻度は高くないし、すぐに回復するのだが、「100%安定した操作」を求める人にはオススメしにくい。
電池の持ちが相当に長いことを考えると、恐らくこの現象の原因は「電波強度を省エネに調整しすぎている」のようにも推測できるが、この辺りをユーティリティソフトなどで変更できれば良かったように思う。特に自分は充電池を使っているので、電池残量をほとんど気にする必要がないからだ。

もし次期モデルがあるなら、軽量化と無線感度の向上をぜひお願いしたいところ。

メリットとデメリットが共存するが、「PC用の無線ゲームパッド」としてのクオリティはなかなか。安く購入できればコストパフォーマンス高し

以上、主に有線タイプのF310rとの違いを中心とした簡単なレビューとなったが、弱点はそれなりにあるものの、買った本人としてはいい買い物をしたと思っている。記事中では触れなかったが、F310r譲りの十字キー(D-Pad)は変わらず使いやすいし、普通にプレイしている限り操作の遅延も特に感じない。

無線タイプのPCゲームパッドとしては、Xbox Oneのコントローラーが有線でしか使えないこともあって、Xbox 360コントローラーが未だに大きな存在感を放っている。とはいえ、十字キーの使いやすさや価格などF710rならではの強みもあるので、一概にどちらが優れているとは言えない印象だ。現在の価格面から考えると、F710rを「無線ゲームパッド入門機」と考えるのも悪くないだろう。

重量と電波強度の弱点はそれなりに気になるが、前者は慣れればそこまで気になるものではないし、後者は受信機の場所を調節すれば、これも大きな問題になることはない。「ハード的には100点とはいえないが、入手できる価格を考えれば、コストパフォーマンスは極めて良い」と言ったところが、本機のまとめとしては適切ではないかと思われる。記事執筆時点では、まだ2000円弱で入手することができるので、安価な無線ゲームパッドが欲しい人にはオススメだ。