Core 2 DuoとHaswell Core i7/i3 PCの消費電力を比べると、これほど違う

Intel Core i3

以前、「i7 4770+GTX 760のゲーム用自作PCの消費電力を計ってみた」という記事を書いたことがある。この中では、i7 4770とGTX 760を組み合わせても想像以上に消費電力が少なかったことを書いたのだが、現在のPCは、そもそもビデオカード自体を搭載していないことが多い。現行のCPUはほぼ確実にビデオ機能を内蔵しているため、3Dゲームでもしない限り、ビデオカード自体を必要としないからだ。

そこで今回は、「増税&Windows XPのサポート切れ直前」というタイミングで新しく自作した、HaswellのCore i3のサブPCの消費電力をワットモニターで調べてみたい。サブということで安く仕上げるため、ビデオカードは搭載せず、内蔵ビデオ機能を使用している。詳しいスペックは後述するが、ストレージもSSDと3.5インチHDD1台ずつという一般的な構成だ。

さらについでということで、今回引退させるかなり古いXPマシンの消費電力も調査し、上記のi7/i3マシンとも比べてみたい。近年のPCは省電力化が進んでいるとされるが、具体的にどれぐらい変わっているのだろうか。

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測定するPCのスペックと測定方法

今回消費電力を測定するPCのスペックは以下の通り。なお、冒頭でリンクした前回の記事と同じように、消費電力があまり大きくないデバイスの細かい型番は省いている。

テストするCore i3の自作PCのスペック
CPUIntel Core i3 4330
M/BMSI B85I (Intel B85)
GPUIntel HD Graphics 4600 (CPU内蔵)
メモリDDR3 PC1600 16GB (8GB x2)
ストレージSSD x1, 3.5インチHDD x1 (5400rpm)
電源SilverStone SST-ST30SF (300W SFX電源)
OSWindows 8.1
テストする旧型Core 2 Duoの自作PCのスペック
CPUIntel Core 2 Duo E6600
M/BIntel DG965OT (Intel G965 / ICH8)
GPUATI Radeon HD 2600 Pro
メモリDDR2-800 2GB (1GB x2)
ストレージ3.5インチHDD x2 (7200rpm)
電源380W (型番不明)
OSWindows XP Home Edition SP3

測定方法は、これも前回と同じくPC本体をワットモニターに繋いでベンチマークソフトを実行し、その間の最大消費電力(小数点以下切り捨て)を記録する。これはあくまでピーク値であるため、常時この消費電力量になっているわけではないことには注意して欲しい。

消費電力測定結果

測定結果は次のようになった。参考として前回の記事で測定したi7 4770環境での結果も併記しておくので、比べてみて欲しい(詳しいスペックは前回の記事を参考のこと)。

なお、前回はゲームでの消費電力テストにBattlefield 4を使用したが、今回はFF14とFF11のベンチマークにソフトを変更している。理由は、一般的にこちらの方が内蔵GPUで動作させる可能性が高いこと、Intel HD GraphicsでBF4をプレイする人はほとんどいないであろうこと、さらにライセンスやゲームデータの移動等の問題もあったからだ。ただ結果として、完全な横並びでの比較になっていない点は気をつけていただきたい。

Core i3 PCの消費電力測定結果
ベンチマーク名i3 + 内蔵GPUi7 + GTX 760(参考)
アイドル時20~22W54~56W
CINEBENCH1コアテスト42W84W
ALLコアテスト55W135W
3DMark (2013)67W271W
OCCTCPU76W177W
VGA51W234W
POWER SUPPLY72W325W
FF14 ベンチ キャラクター編69W-
FF11 ベンチマークソフト348W-
Battlefield 4(オンラインマルチ時)-274W

お次は旧型XPマシンでの測定結果になるが、こちらはOSが古いことと、PC自体にかなりガタが来ていることもあり、残念ながら同じベンチマークソフトを動かすことができなかった。そのため代替えとして、「CrystalMark 2004」のベンチマークを実行したときの消費電力を測定した。こちらは本当に参考情報にしかならないが、ご容赦願いたい。

Core 2 Duo E6600 PCの消費電力測定結果
アイドル時94~100W
CrystalMark 2004CPU (ALU + FPU)144W
2D Graphics (GDI + D2D)135W
3D Graphics (OGL)139W

まずはi3マシンの方だが、こちらは予測していたように相当な低消費電力に収まっていることがわかる。アイドル時で20W前後、一番消費電力が大きかったOCCTのCPUテストでも72Wと100Wを余裕で下回っており、容量が大きめのデスクトップPC向けACアダプタなら普通に動かすことができそうだ。今回はちょうどセールで安く入手できた300WのSFX電源を組み込んだのだが、スペック的には余裕がありすぎるという感じだろうか。

注意深く見ると面白い傾向として、i7 + GTX 760環境ではぶっちぎりで消費電力が大きかったOCCTのPOWER SUPPLYテストが今回は2位に沈んでおり、むしろCPUテストの方が高い消費電力をマークしている。これは推測だが、POWER SUPPLYテストはCPUとVGA同時におこなうため廃熱処理が追いつかず、CPUかGPUのクロックが上がりきらなかったのではなかろうか。このi3マシンは余ったi7のリテールクーラーを流用しているのだが、市販の強力なCPUクーラーに置き換えれば、クロックが上がりきってより消費電力も大きくなるのでは、と予測している。

次は引退間際(というか記事公開時点ではすでに引退しているが)のXPマシンと比べてみよう。ベンチマークソフトがそもそも違う点は考慮する必要があるが、とにかくアイドル時の消費電力が高いことが目につく。同じようにビデオカードを搭載しているi7マシンと比べても、消費電力は2倍ほど違う。もちろん、性能についてはまったく比べものにならない。

測定結果を俯瞰的に見ると、高負荷時とアイドル時で消費電力に大きな差はなく、繰り返しになるが「負荷をかけなくても電力を食う」ことがうかがえる。それでもあえて傾向をまとめれば、CPUに負荷をかけたときの方が消費電力が大きく、ビデオカードは2Dでも3Dでも結果に大きな違いはない。

とはいえ、これはかなり古いベンチマークソフトであるCrystalMark 2004が原因で、GPUの性能を引き出せていない可能性が高いとみている。電源や冷却ファン、OSの調子がもう少しマシな状態ならば、他のベンチマークソフトも試してみたかったのだが……。

Core i3 PCの実消費電力を推定する

これは前回の記事でも書いたのだが、上記の消費電力はあくまで最終的な最終消費電力であり、パーツ自体の消費電力ではない。詳しい話は以下の記事に詳しいが、電源が電力を変換する時のロスが必ず発生するため、その分の効率を差し引きする必要があるからだ。

実際にパーツが消費した電力は電源の効率から逆算して推定できるため、今回のi3マシンでも計算してみたい。このPCで使用している電源は、シルバーストーンの300W電源「SST-ST30SF」で、80PLUS認証はブロンズだ。これは負荷20%と100%で電源効率が82%以上、負荷50%では85%以上の効率となっているが、個別の電源についても「Ecova Plug Load Solutions」というサイトで詳細が公開されている。ものによっては載っていないこともあるようなのだが、今回のSST-ST30SFは詳しいスペックが発見できたので、これを元に計算することができる。

上記のPDFによると、この電源は負荷10%時の効率が78.33%、負荷20%だと83.83%となっている。ちょうどアイドル時からベンチマーク時の負荷がこの辺りに収まるので、この値で実際の消費電力を推定してみよう。

Core i3 PCの電源を除くパーツ全体の推定消費電力
ベンチマーク総消費電力推定パーツ消費電力
アイドル時20~22W15.6~17.2W
CINEBENCH CPU ALLコア55W46.1W
OCCT CPU76W63.7W

あくまで推定だと前置きしたうえで、アイドル時では16W前後、最大負荷時でも60W強とかなりの省電力ぶりを発揮してくれた印象だ。これなら恐らく、100W程度のACアダプタあたりで普通に利用できるのではなかろうか。CPU以外にビデオカードのような電力を食うパーツがないのも、この結果に繋がっているのだろう。

昔と比べてアイドル時の消費電力が大幅に減少した現在のPC
内蔵GPUを使うなら“桁違い”な省エネが可能に

今回の実験では、「同一世代でもCPUのグレードが下がり、ビデオカードがなくなれば消費電力は大きく落ちる」という予想通りの結果もさることながら、とにかく古いPCとの大きな消費電力の差が目についた。何せ4コア/8スレッドのCore i7をCINEBENCHのCPUテストで全力で回したときより、2コア/2スレッドのC2D E6600のCPUベンチの消費電力の方が高いのだ。しかもアイドル時の消費電力に至っては、同じようにビデオカードを積んでいるのに、i7は半分程度である。もちろんこれはCPUだけではなく、GPUや電源などのあらゆるコンポーネントが、省電力と高効率化を進めてきたからなのだろう。

端的に、ある程度古いPCを使っている人は新型に更新するだけで、消費電力はグッと少なくできるはずだ。最近はIntel・AMDとも内蔵GPUの性能が「3Dゲームをやらない人なら普通に使える」から「最低限~ある程度の3Dゲームなら動く」ぐらいにまで上がってきた。そういう意味でビデオカードの必要性も徐々に減ってきており、ますます省電力化に有利な状況がそろってきている。

古いPCを使い続けている人には、恐らくそれなりの理由があるのだろう。だが、多くのPCパーツには寿命があるし、何年も経てば性能アップだって著しい。もちろん、Windows XPから更新していないなら、セキュリティ的な問題も大きい。久しぶりに起動したWindows XPのPCを使ってみて、ますますそれを実感した。
省電力化自体は副次的な効果と考えてもいいので、XP時代のPCを今でももし使っているなら、PCを全面的に刷新するのは決して悪くないタイミングではないかと思う。