Adobeソフトのライセンス認証解除ができなくなったので、サポートで対応してもらった

Adobe

以前このブログでも書いたことがあるのだが、自分は書籍の電子化(自炊)のために、富士通のScanSnap ix500というドキュメントスキャナを購入して使っている。このスキャナにはAdobeの「Acrobat Standard」(バージョンは購入時期によって異なる)がバンドルされていて、出力ファイルをPDFにして、かつ編集もしたいときは利用することがある。付属のユーティリティでも単純なPDF化は可能なのだが、細かい調節まではできないからだ。

話は変わって先日、XPのサポート終了がらみでWindows 7のPCをWindows 8.1に更新した。パーツのアップグレードも同時におこなったため、もちろん完全な新規インストールだ。移行作業自体は比較的スムーズに終わったのだが、前述のAcrobatをインストールした後にトラブルが発生。「ライセンス認証の制限数に達しました。」と表示されて、ライセンス(シリアルナンバー)が通らなくなってしまったのだった。

「ライセンス認証の制限に達しました」の画面
Adobeソフト(Acrobat)のライセンス認証が正常におこなわれないと、こんな画面が表示されることになる

Adobeのソフトは「ライセンス認証の解除」を忘れると使えなくなる

原因を調べてみると、Adobeのソフトはライセンスを厳密に管理している関係で、PCとソフトを完全に紐付けしていることが(今更)わかった。PCのパーツ変更はもちろんのこと、OSの再インストールなどでも、「ライセンス認証の解除」を基本的にはおこなった方がいいらしい。Adobeのソフトは(同時使用しない条件で)2台へのインストールが認められている場合が多いようなのだが、パーツの変更やOSの再インストールが原因で別PCと認識され、その2台分のライセンスを使い切ってしまったということだろう。

以前AppleのiTunesで似たような“認証解除”の記事を書いたのだが、それよりずっと厳しい管理がされていると言える。

今からでもライセンスの認証解除がおこなえればいいのだが、すでにSSDは初期化してしまって、ソフトどころかOSごと消滅している。ヘルプをきちんと読まなかった自分が悪いことは間違いないが、このままAcrobatが使えないのは困るので、どうにかならないのかと調べてみた。すると、Adobeのサポートに連絡して対応してもらえば、すでにPC(やソフト)が起動できない状態でも、解除作業を特別におこなってくれるらしいことが判明した。

ネットを検索すると上のリンク先のように「電話で対応してもらった」という体験談が多いのだが、自分が2014年3月現在Adobeのヘルプをいくら探しても、電話番号は全然見つからない。代わりにチャットでの問い合わせページに移動するので、多分(問い合わせが多すぎるせいか)チャットでの対応に統一されたのではないかと思う。対応は平日のみで、かつ時間も“9:30 ~ 17:30”と一般的な電話対応窓口とほぼ変わらない感じだが、このあたりはサポートセンターの人がリアルタイムで対応するのでしょうがないのかもしれない。

Adobeのチャットサポートへのリンク
チャットサポートが利用できる日時だと、このようなリンクが表示される。ただし、すぐに繋がるかは別の問題のようだ

問い合わせに必要な情報と、具体的なやりとり

方法さえわかれば迷うことはないので、早速対応してもらうことにした。
上記のページから「チャットを始める」をクリックすると、問い合わせ情報を記入するフォームが表示されるので、そこに必要事項を入力する。この時点で必要な情報は「製品名」「メールアドレス」「電話番号」「氏名」で、さらに具体的な問題の説明、つまり今回なら「ライセンス認証数が上限に達してしまったことと、その解除がすでに不可能であること」を書けばいい。

ちなみに知りたい人が多いと思うので先に書いておくと、ユーザー登録の有無は確認されなかったし、Adobe IDも特に必要とされなかった。必要なのは上記のサポートに必要な個人情報と、シリアル番号だけでいいらしい。

項目の入力が終わると、一定間隔で「今しばらくお待ちください」と表示され続けるので、オペレーターに空きができるまでしばし待つ。電話と違って機械的なアナウンスを延々聞かなくてすむので、そのあたりは嬉しいかもしれない。なお、今回は10分弱ぐらいで繋がった。

オペレーターに繋がれば後は慣れたもので、前述の通りにシリアル番号をチェックされ、それが確認できれば現在の使用状況(今は何台にインストールされているのかなど)を確認されるだけで終わり。「やむを得ない状況」ということは言われるものの、作業自体は記事冒頭で貼り付けたスクリーンショットのライセンス認証画面で「ライセンス認証の再試行~」「続行」を押すだけ。向こうで作業をおこなってくれれば、無事に認証は通るようになる。

実際のやりとり時間は、多分10分もかからなかったのではなかろうか。

Adobeソフトのライセンス周りはかなり面倒だが、サポートはそこまで悪くはない

今回のトラブルは、結構寝耳に水だった。Adobe製品をよく使う人には当たり前なのだろうが、自分はそうではなかったので、ライセンス認証が通らなかったところで「なんだこりゃ」とまず思ってしまった。それでも、ソフトを事前にアンインストールしておけば、そのときにライセンスの解除もできたらしい。とはいえ、これからすぐに初期化するSSDからわざわざソフトを消す必要も感じなかったわけで、こうなったのも必然だったように思う。

今回の件は自分で意図的に初期化してしまったのだから自業自得だが、突発的なハードウェア故障やストレージ(OS)がすっ飛んだなど、ユーザーが悪くない場合は多いだろう。Appleのような「1年に1回は完全に(サポートに頼らなくても)初期化できる」などの救済措置があってもいいように思う。特にハードウェアの変更に関しての記述はかなり曖昧で、「どういうときにライセンスを解除して、逆にどんなときは解除しなくていいのか」がよくわからない。

Q7.自作コンピュータを使用しています。コンピュータをアップデートした場合は、改めてライセンス認証手続きが必要ですか

A7.ライセンス認証手続きが必要な場合と、必要でない場合があります。( インストール時に表示される画面表示に従ってください。)※ どのくらいコンピュータをアップデートするかによります。詳細は非公開とさせていただきます。

ライセンス認証についてのFAQ

ただまあ、サポートの対応や質は決して悪いと思わなかった……というか、むしろ非常にスムーズだったので、そのあたりには好感を持った。今回はいい勉強になったとも言えるので、今後は“適切”にライセンスを管理していきたい。