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SSDのデータを完全消去(初期化)する方法まとめ

Intel製SSD

PCのセキュリティに関する知識をある程度もっている人なら、「PCやHDDを譲渡・処分するときは、その中に記録されているデータを完全に消去しておく必要がある」というのは常識ではないだろうか。そのためのソフトは有料・無料問わずいくらでもあるし、実際にこのブログでも「wipe-out」というフリーソフトの使い方を簡単に紹介したことがある。

HDDのデータの消去はある意味単純で、「HDD全体を0か1、あるいはランダムデータなどで(何度か)上書きする」という方法がとられる。この作業をおこなうことによって、「ファイルの消去操作」や「クイックフォーマット」では消されない実際の磁気データ部分を上書きし、復元できないようにできる。実際の推奨上書き回数については色々な意見や指標があるようなのだが、今のHDDなら1~2回で(現実的には)十分だと言われているようだ。

しかし、現在では「ストレージ=HDD」という時代はとっくに終わっていて、デスクトップやノートなどの形状に関係なく、SSDの搭載が普通になっている。SSDとHDDは根本的にデータの記録方法が異なるため、HDD時代の「磁気データが~」などという話はSSDには当てはまらない。そもそもSSDには回転するディスクは入っていないし、磁気で記録しているわけでもないのだ。

「じゃあSSDのデータはどうやって消せばいいの」ということになるが、これが今回の本題。調べてみるとSSDの仕組みについて色々書いてあるところは多いのだが、実際の手段やソフトについてまとまって書かれているところは、2013年現在でもあまりないようだった。自分も近いうちに必要になりそうなので、技術的な話は他のページに任せるとして、実際に必要な作業だけを整理しておきたい。

SSDを完全消去するには「Secure Erase」を実行する

(技術的な話は抜きにすることにしたので)見出しの一言で終わってしまったが、SSDを完全消去(初期化)するには「Secure Erase」をおこなう。問題は“何で”おこなうかで、それはSSDの使用(搭載)環境によって異なってくる。

1. メーカー製専用ユーティリティを使う

SSD管理用の専用ユーティリティを提供しているメーカーのドライブなら、そのソフトの中にあるSecure Erase(あるいは初期化)をおこなえばいい。具体例としては、Intel製SSDなら「Intel SSD Toolbox」、サムスンなら「Samsung Magician Software」などが用意されているので、最新版をインストールして実行すればいいはずだ。
メーカー純正のツールなので確実な対応が望めるし、使い方もヘルプを読むなり、ネットで使い方を検索するなりすればいい。「メーカーがユーティリティを用意してる必要がある」という前提はあるものの、一番簡単かつ確実な方法だろう。

Intel SSD Toolboxの起動画面
「Intel SSD Toolbox」を起動させた画面。接続されているSSDがIntel製ではないため、ほぼ全ての項目がグレーアウトしているが、いちおう左のメニューの真ん中に「Secure Erase」という項目があるのが見える。(実行はできない。)

2. 「TxBENCH」を使う

購入したSSDのメーカーが純正ユーティリティを用意していないなら、汎用的なソフトを使う必要がある。現状、Windowsでは「TxBENCH」というソフトを使うのがベターなようだ。これはフリーのストレージベンチマークソフトなのだが、SSD自体の最適化やSecure Eraseも実行可能な、ストレージの統合ユーティリティソフトのような機能も搭載している。

具体的にはソフトを起動して「データ消去」を選び、「ドライブ」に消去したいSSDがきちんと選択されていることを確認した上で、その中の「Secure Erase(エンハンスドモード)」を実行する。一部のSSDでは「Secure Erase(エンハンスドモード)」が実行できない場合があるようなので、そのときは1つ上の(ただの)「Secure Erase」を選択すればいいようだ。

TxBENCHのデータ消去画面
TxBENCHを起動してデータ消去のタブを開いた様子。この画面から「Secure Erase(エンハンスドモード)」実行すればよい。

使ってみて何らかのエラーが出る、あるいは使い方がよくわからないというときは、上記の公式ページや付属のヘルプをまずチェックするか、以下の解説ページなどを参照するのをおすすめしたい。無名なソフトではないため、少し検索すればトラブルの回避方法などが簡単に見つかるはずだ。

なおこれは当然なのだが、メーカー製ユーティリティやTxBENCHはWindows上で動くソフトなので、Windowsの起動ドライブとなっているSSDを消去したり、「そもそもWindowsを使ってねえよ!」という人は使用できない。そのような場合は、次の「3.」の方法を選ぼう。

3. 「Parted Magic」を使う

「Parted Magic」は前述したソフトとは違い、以前の記事で紹介したwipe-outと同じように、OSであるLinuxとストレージ(SSDやHDD)の管理ソフトがセットなったものだ。公式サイトからISOイメージをダウンロードし、CD-Rなり何なりに書き込んで、BIOS(UEFI)でドライブの起動順番を変更してから、光学(DVD)ドライブから起動する。あとはOSが立ちあがるので、そこから消去作業をおこなえばいいわけだ。

Parted Magicのスクリーンショット
Parted Magicの起動画面のスクリーンショット。(公式サイトから引用)

画像を交えた具体的な使い方は、以下のページに詳しい。

ただし、このParted Magic、かつてはこの手の作業をおこなう定番のフリーウェアだったようなのだが、2013年12月現在はシェアウェア(有料)になっている。価格は約5ドル(500円)と高いわけではないが、いきなりお金を払うのは抵抗がある人は多いかも知れない。いちおう、有料になる前の旧バージョンをまだダウンロード可能なので、こっちなら今(2013年12月現在)のところまだ無料で使えるようだ。

使う予定があるなら、早めにダウンロードしておくといいかもしれない。

Windows 8ではOS上からSecure Eraseを実行できない

上記の1.と2.の方法をとる場合には、Windows 8環境では、OS上から直接Secure Eraseができないという点に注意しておきたい。上でリンクしたページにも書かれているのだが、Windows 8からはストレージ管理の仕様が変わったらしく、SATA経由ではSecure Eraseのコマンドが送れなくなってしまったらしい。(それ以前のWindows 7などでは関係ない。)

Windows 8ではSecure Eraseを実行できないので注意してください(Windows XP/Vista/7では使用できます)。これは、OS側の制限です。Trimコマンド同様にWindows 8では仕様が変更されたようで、Secure Eraseのコマンドがフィルターされてしまい、ドライブに送られません。このため、Windows 8環境では、現状、対処しようがありません。

忘却の彼方: SSD/HDD用ベンチマークソフト「TxBench」

この現象の回避策としては、USB接続を使う方法があるようなのだが、これも完全ではないらしい。

もう1つの方法が、USB接続で使用する方法です。USB接続の場合は、Windows8でも問題なく使用できます。ただし、SATA-USB変換チップは、Secure Eraseのコマンドをフィルターしたり、送ったふりをする方がいるようです。このため、USB接続の場合は、処理が完了したようにみえて実際にはコマンドが送られていなかったり、エラーが発生して処理が行われない場合があるので注意てください。また、USB接続で使用する場合は、後述するドライブ情報がすべて取得できる製品でのみSecure Eraseを実行できます。ドライブ情報がきちんと取得できない製品の場合は、この機能を利用することはできません。

忘却の彼方: SSD/HDD用ベンチマークソフト「TxBench」

メーカーもこの点を理解しているようで、1.で紹介したメーカー製の純正ユーティリティには、OSを起動せずにSecure Eraseが実行できるディスクを作る機能が用意されているものがある。これを使えば、Windows 8環境でも消去作業をおこなうことができるわけだ。

ただし、2.のTxBENCHにはそのような機能はないので、Windows 8を使っていて、かつ純正ユーティリティが用意されていないメーカーのSSDだと、少々やっかいなことになる。恐らく、3.のParted Magicを使うしかないのではなかろうか。USB変換して運良くSecure Eraseのコマンドが使えたり、別のWindows 7以前のPCがあるなら、一時的にそちらに繋いで作業をおこなうこともできるとは思うのだが……。

まとめ

以上、簡単に「SSDのデータ消去方法」まとめてみたが、要するに「何らかのソフトを使って“Secure Erase”を実行しましょう」という話になる。Windows 7以前の環境で、メーカー謹製ユーティリティを使えるのが一番楽だが、例えそれが無理でも、とりあえずは他の手段やソフトが用意されている。
環境によって作業にかかる手間や時間は異なるだろうが、将来的にSSDを譲渡や処分する予定があるなら、データの消去方法に関しても、頭の隅に入れておいて損はないだろうと思う。