チャタリングが発生したのでロジクールのマウスを交換してもらった

Logitech(ロジクール)ロゴ

以前下のレビュー記事でも触れたのだが、今年からデスクトップPCのマウスも無線のものに変えることにした。購入したのはロジクールの「M705r」というマウスで、多ボタンなのとバッテリー(電池)が長持ちするのが特徴になっている。

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今回故障した「M705r」の後継機種「M705t」。話によると“何も変わっていない”らしいが……。(画像クリックでAmazonへ。)

その後もバッテリーが急に減るようなこともなく順調に動作していたのだが、少し前から一番使用する左ボタンにチャタリングが発生するようになってしまった。チャタリングというのは、PCの用語としては「1回しか押していないのに、勝手に多重入力(クリック)になってしまう」という状態を指す。今回のようにマウスで発生することが多いが、キーボードや普通のボタンでも劣化で起きることがある。

今まで使ってきたロジクールのマウスは、表面の塗装が剥がれるほど使っても内部は無事であることが多く、クオリティには信頼感を持っていた。だが、無線マウスではチャタリングの発生があまり珍しくないらしい。これは単に機械的な不具合もあれば、静電気が原因だったりすることも多いようで、以下のように「電池を抜いてボタンを押せ!」と静電気への対処法が書かれているページが結構簡単に見つかる。

これを試してみたところ、確かに酷いチャタリング現象は改善できたのだが、やはり一定頻度で発生してしまう。具体的な発生率は5~10クリックに1回ぐらいなのだが、勝手にファイルやウィンドウ、さらにリンクなどが断続的に(ダブルクリック扱いになって)開いてしまう。致命的というほどではないが、操作感の悪化や作業効率の低下に繋がるのはやっぱり耐え難い。

しょうがないのでロジクールのサポートに連絡し、対応してもらうことにした。せっかくM705rの保証期間は3年もあるのだから、頼らないのは損、というか価格にサポート代も含まれているのだから、このまま新しいのを買うのは馬鹿らしい。

以下からは実際に自分が受けたサポートの実体験になる。同じようにロジクールのサポートを受けたい人がいるなら、参考にして欲しい。

ロジクールのサポートは(当然)メールでも受けられる

ロジクールのサポートを受けた体験談をネットで探してみると、電話で対応してもらったと書いている人が多い印象なのだが、もちろんメール(というか正確には問い合わせフォーム)でもサポートが受けられる。電話でのサポートは受付日時が限られている(月~金曜日で時間は9時~19時)が、メールなら24時間常時受け付けているので、こちらの方が都合がいい人が多いのではないだろうか。

具体的にはまず以下のページにアクセスし、サポート用のアカウントを作成するか、すでに持っている場合はログインする。自分の場合は持っていなかったので、普通にアカウントの作成をおこなった。恐らく1回作っておけば今後ロジクールのサポートを受けるときに何度でも使い回せるはずなので、自分のようにロジクール製品を一定頻度で買う人は作っておいて損はないだろうと思う。

ロジクールのサポート用アカウント作成を作成
サポート用のアカウントを作成するためのリンク。ヘルプのレコメンドもされるようだが、実際はサポートを受けるときにだけ使うことがほとんどだろう。

「新しいアカウントの作成」をクリックすると入力フォームが表示され、メールアドレスや住所氏名を入力する画面が表示される。特に迷うところはないだろうし、情報はそのままサポートを受けるときに使用するので、サクッと入力して次へ進もう。問題がなければ次の画面に移動する。

サポート用の入力フォーム
サポートを受ける製品と、発生している具体的な症状や質問を入力するフォーム。この後も使用するため、保証書を事前に用意しておくと作業がスムーズに進む。

製品名や実際のトラブルの現象はここに記入する。自分の場合は無線マウスのM705rだったので、「プロダクト」にマウス、「製品名」に型番、「質問」にチャタリングが発生する旨とサポート期限内であること(購入日)を入力した。「P/N」(パートナンバー)は、保証書にもなっている外箱のバーコードラベルの右上に記載されている数字のこと。これも(「P/N」を)入力しようとすると表示されるヘルプにも表示されるので、特に問題はないだろう。あとは使っているOS(Windowsのバージョン)を選択するだけ。

そのまま送信すれば、内容はロジクールのサポートに送られ、さらに控えが登録したメールアドレスに届く。しばらくすれば返事が届くはずで、自分の場合は1営業日でメールが送られてきた。

なお話は前後するが、ロジクールのマウスは外箱のバーコード部分が保証書になっている。箱自体は捨ててもかまわないが、ここだけはシールを剥がすなり、切り取るなりしてちゃんと保存しておこう。なくても対応してくれることもあるらしいが、大してかさばるものでもないし。迅速なサポートを受けるためにも間違えて捨てないよう気をつけておきたい。

交換サポートを受けるために「購入日時」と「保証書」を提示する

送られてきたメールには、製品が故障しているであろうことと、交換作業のための手続きが記載されていた。書類で必要なのは、保証書に購入日時と店のサイン(ハンコ)が記入されていればそれだけでいいが、なければ「保証書 + 購入証明書」になる。恐らく今はマウスなんてネット通販で買うのが珍しくないだろうし、大手量販店でも「レシート兼保証書」を発券して終わるところばかりなので、後者の場合の方がかなり多いのではないか。

保証書と購入証明書(レシートや納品書など)を用意したら、それを並べて写真を撮り、メールに添付して返信する。手元のスマートフォンやタブレットのカメラ、あるいは(あるなら)スキャナなどを使えばいいだけなので、何の問題もないはずだ。ただ、字が読めないと意味がないので、(写真なら)なるべくピントを合わせるようにして、送る前にも軽くチェックだけはしておいた方がいいだろう。

さらにメールには添付ファイル(画像)のサイズを500KB以下にするよう書かれていたので、サッとフリーソフトで縮小して返信メールに添付した。これはWindows標準の「ペイント」でも可能なので、特に困ることはないだろう。

最後にメールに記載されている、「発送情報」の空欄を埋める。文中に「名前【 】」や「住所【 】」などの空欄になっている入力欄があるので、普通に埋めていけばいい。自分の情報以外は最初から記入されているので迷うところはない。あとはそのまま返信して、前と同じように返事を待てばいいだけだ。

自分のケースでは、今回の返事が来たのは3営業日で、予想よりは若干時間がかかった。内容としては「メールが返信されたのを確認した」というだけだが、ここまで来れば別に何かある場合にだけ返事をすればいいので、後はただ待っていればいい。記述によると、添付した書類(保証書)の確認にはもう少し時間がかかるようだった。

次のメールが届いたのは翌日(1営業日後)で、出荷の手配が始まったことのみ書いてあった。メールの確認にそこそこ時間がかかったので、同じぐらいの時間を予想していたのだが、こちらは想像以上に早かった。後は交換品が届くのを待つのみということになる。

交換用の製品が届いたら

さらに2日後、発送が終わった旨のメールが届き、翌日交換品が届いた。日数としては投稿フォームから問い合わせて8営業日、実際は土日を挟んでいるので10日程度ということになる。タイミングが悪ければさらにもう一回週末を挟む可能性があるので、もう少し長くかかることもありそうだ。故障のサポートとしては別段遅いというわけでもないが(こちらから故障品を発送しなければいけない製品の場合は、大概もっとかかる)、メールのやりとりと書類のチェックが必要なためか、予想より若干時間がかかったイメージはある。ただ、逐一メールで状況を送ってくれるため、「放置されてる」感がないのは好印象だ。

届いた交換品をチェックしてみると、(当然だが)購入したのと同じM705rの新品が入っていた。製品がない場合は同等品への交換になることがあり、「M705r」はすでに「M705t」にモデルチェンジしているのだが、まだ在庫があったようだ。故障品の方については代替品がお手元に届きましたら、不具合品に関しては、お住まいの地域の法令に従って破棄/処分頂けます様、お願い申し上げます。とメールに書いてあるので、そのまま指示に従うことにした。

同じようにサポートを受けた人の体験談をネットで読んでみると、「不具合品を送り返してください」とメールや書類で指示されることもあるようなのだが、自分の交換品に同封されていた書類にはそのような記述は一切なかった。今だと手続きの時点で保証書を無くしていたりとか、ある一定価格以上の製品だったりすると、そんな指示をされるのかも知れない。

新しく来たM705rを早速手元の壊れた方と交換したところ、もちろんチャタリングの不具合は一切なくなった。使っていた電池も十分残っているので、こちらは新しい方に変えなくてもしばらくは快適に使えそうだ。ただ、新しいマウスは同じ製品のはずなのに、「ボタンの押し心地が違う」のが気になった。もちろん古い方は数か月使っているが、そう簡単にクリック感が変わるものなのだろうか。これだけ早く不調になったことを考えると、やはり元々不良品だったのかもしれない。

「長いサポート」が初めて役に立ったが……

自分にとってロジクールは信頼しているお気に入りのメーカーなので、今までいくつものマウスを買ってきた。表面の劣化を除けば、保証期限を過ぎても普通に使い続けられる堅牢性は大したもので、今や数百円で買える激安マウスを選ばなかった理由のひとつといってもいい。しかし、今回は1年経たず故障してしまい、正直なところちょっと残念ではあった。前述のとおり交換品はクリック感が違うので、古い方は初期不良品だった可能性も高いが、はっきりしたことはわからない。

今回は初めてロジクールのサポートを利用することになったが、その体制には特に不満を感じるところはなかった。さらに2年以上保証期間が残っているのだから、同じように壊れても特に問題はないことになる。長期保証様々、といったところだろうか。近年は一部のメーカーで、PC周辺機器の保証が1年どころか6か月ぐらいになっているところもあるが、そうした時流からは一線を画す体制を続けてくれるのはありがたい。

とはいうものの、もちろん最初から壊れないに越したことはない。交換品が来るとはいえ手間がある程度はかかるし、そもそも購入時にある程度の丈夫さを期待していた点もある。有線マウスのような「見た目がボロボロになるまで使っても、中身は全然問題ない」というレベルを越えろとは言わないものの、できれば同じレベルのものを無線にも、といちロジクールファンとしては思ってしまうのだが。