ここで使用しているFC2ブログを含め、ほとんどのブログサービスでは利用者が任意で好きなテンプレートを選べるようになっている。多くの場合はデザイン、つまり「見た目」で選ぶことになると思うが「CSSで見栄えだけ変更している」というタイプ(のブログサービス)でもない限り、テンプレート自体の構造(HTML)がものによって違う場合が少なくない。特にFC2ブログのような「利用者がテンプレートを登録して、ブログユーザーなら誰でも使える」というサービス形態ならば、よりその傾向が強いといえる。
そのような非常に選択肢が広いテンプレート探しの中で、見た目以外にチェックしておくと良さそうなポイントをいくつかあげてみたい。
サイドバーよりメインカラム(本文)部分が先に記述されている方が良い
ブログテンプレートの場合、ほとんどは「メインカラム+サイドバー(サイドカラム)」という形で構成されている。ヘッダーやフッターの有り無し、2カラムか3カラムかという違いはあるものの、多くのブログは今でも同じような作りになっている。ここで注意したいのはまずメインカラム(本文)から先に表示されるようになっているかという点。逆の言い方をすれば「サイドバーの表示(記述)が後回しになっているか」ということになる。
ブログ記事をWebページとして見ると、どのブログでもサイドバーの中身の重要度は(本文と比べ)ほぼ確実に低い。最近の記事やコメントへのリンク、あるいは広告だったりと「表示されてもされなくても内容にあまり関係ない」ものである確率が非常に多く、真っ先に表示させるメリットはほとんどない。(というよりこれだけ先に表示されても意味がない。)
とはいえ、それだけならこれはあまり大きな問題ではない。"表示が後回し"だろうと何だろうと、普通に表示される限りは「相手側の回線速度の問題」ともいえる。
それより問題なのは、サイドバーが先に表示される状態だと、そこに設置しているブログパーツを提供しているサイトのサーバダウンなどによって「一番重要な本文がいつまでも読み込まれず表示が極端に遅くなり、"最新の記事一覧"やブログパーツだけが延々と表示され続ける」という非常にマヌケな事態が起こりえてしまう。そしてこれは決して珍しい現象ではない。
例えば10個のブログパーツを利用していて、そのうち8個をサイドバーに設置していたとする。すると8個の内のどれかひとつでも落ちていれば、本文の表示が阻害される可能性が出てきてしまう。しかも「ブログサービス自体には別に何のトラブルも起きていないのに」だ。特にブログパーツは企業から見て「安価で楽な露出度アップやリンク数稼ぎの道具」として見られていたため、低コストでてきとうな管理をされていたサービスも多かった。ものによっては頻繁なダウン起こったり、そもそも早々にサービス終了してしまったものも珍しくない。
前述のとおりにサイドバーの中身は、ページ全体として表示させる必要性が低いものである場合が多い。ましてや単なる"落ちた"ブログパーツで本文やページ全体の表示が邪魔されてしまっては、それこそ本末転倒になってしまう。逆にサイドバーの表示が途中で止まっても、本文さえ表示されていればページのメインコンテンツはとりあえず見ることが出来るため、全体的な影響は少ない。
とにかく「サイドバーにメインコンテンツがある」という非常に珍しいブログでもなければ、まず本文が表示されるテンプレートを選んだ方が良い、ということになる。
投稿時間(特に年月)がちゃんと表示されるものを選ぶ
テンプレートによっては、記事の投稿日時がどこに書かれているのかわかりにくかったり、あるいは投稿年などが抜けていて不完全にしか表示されないものを今でもたまに見かける。かつては「(普通のWebサイトやWikiと対比して)ブログはフロー」と言われており、確かに"流れて消えてゆく使い捨て記事"なら重要なのは「何月何日の記事か」で「何年の記事か」はあまり重要ではない。それは記事を見ている"今の年"に決まっているからで、書かれていなくても勝手に補完できるからだ。(実際に「リアルタイムウェブ」とも言われるTwitterの投稿は、古くならない限り「投稿年」は表示されない。)
しかしよりフロー性の高いTwitterなどの普及によって、ブログの立ち位置はずいぶん変わってきている。読み返す(読み返される)ことを前提するならば、「何年に書いた記事か」は「何月何日か」と同じか、それ以上に執筆者にとって重要な情報になってくる。
また年月の情報は閲覧者にとっても重要な情報と言える。ブログが日本で利用され初めてすでに10年近く(ただし本格的に普及し始めたのはもっと後)経つようになり、「その情報が新しいのか古いのか」は明らかに月単位ではなく年単位で考えるのが当たり前になっている。特にWebやIT業界は数年単位で前提や常識が変わることが珍しくなく、例えば2005年と2012年に書かれた記事ではそのバックグランドは全然違うはず。当時は当たり前だったことが今では話が通じないとか、変に反感を招く、ということもあるかもしれない。
いずれにしても投稿年月日がちゃんと表示されているに越したことはなく、できれば一見してすぐわかるものにした方がいいだろう。
カスタマイズ前提なら最初から改造に対応していたり、その目的に近いものを選ぶ
ブログテンプレートのカスタマイズといえば人によってやりたいことは当然異なってくるが、いわゆる「良くある非常にポピュラーな改造」というものが存在する。具体例をあげるなら「文字のサイズやフォントの変更」「ブログ全体の表示幅の変更」「サイドバーの幅や数の編集」「ヘッダー(ブログトップ)に画像を載せたい」あたりは本当に良く見かけるテンプレートの定番改造と言える。
この手の定番カスタマイズの場合、テンプレート作者が最初からカスタマイズ方法をテンプレートに組み込み済みのことが結構ある。具体的な方法はCSSにコメントで書かれていたり、作者のブログに書いてあったりするという違いはあるものの、「単に数値や画像URLを書き換えるだけ」「特定部分をコメントアウトする」「逆にコメントアウトを消してアクティブにする」などの方法で簡単に変更できるようになっていることが多い。テンプレートをいじるのに自信がない人なら、最初からこのようなものを選んでおけば、迷ったり手間取ったりする可能性はグンと低くなる。
またそのような「親切な」テンプレートではないにしても、例えばもし「ヘッダーに好きな画像を載せない」なら最初から(自分の好みではなくても)何かの画像が表示されているものを選べば、単に画像URLを差し替えるだけで目的を達成できるかもしれない。同様にブログの幅を変えたいなら「固定幅のテンプレートを可変幅に変える」より「幅の狭い固定幅のテンプレートを幅の広い固定幅に変える」などの方が楽である可能性が高い。つまりなるべく特徴が目的に近い方が、手を入れる箇所が少なくて済むだろう、ということ。
もちろんHTMLやCSS、ブログサービスの変数理解などに自信があるなら(自分で対応できるだろうから)気にする必要はまったくないものの、そうでないならこのあたりを頭の隅に入れてテンプレートを選んでおくと色々スムーズに事が進むのではないかと思う。
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