このBlogでは以前から訪問者の環境を集計して発表していたのですが、実はあれはかなり手間がかかる作業でした。正直なところ面倒なので、毎月の集計を止めて半年などの期限を区切って推移を発表していく形にしようと思っています。ということで、もし利用者環境の発表を期待していた方はごめんなさい。
代わりといってはなんですが、個人的に気になっているWindows Vistaの普及率だけは毎月公表していく予定です。今までは「その月の比率」をただ発表していただけなので、グラフなども使って「推移」も同時に追ってみようと考えています。
今回はGoogle Analyticsで集計を始めた2008年1月から2008年8月までのデータを発表します。
Windows Vista普及率推移グラフ
Vista | XP | 2000 | その他 | |
---|---|---|---|---|
08年1月 | 13.92% | 76.14% | 6.68% | 3.26% |
2月 | 15.88% | 75.12% | 7.40% | 1.60% |
3月 | 16.19% | 77.12% | 5.22% | 1.47% |
4月 | 16.55% | 77.15% | 4.67% | 1.63% |
5月 | 16.42% | 77.98% | 4.23% | 1.37% |
6月 | 14.99% | 77.97% | 5.42% | 1.62% |
7月 | 14.31% | 80.23% | 4.31% | 1.15% |
8月 | 17.00% | 77.98% | 3.84% | 1.18% |
Windows Vistaの普及は相変わらず進んでいない
今年1月からのデータを並べてみてわかることは、数値に大きな動きがほとんどないということでしょう。Vistaの使用率は1月に14%弱なので、今年最高の17%を記録した8月に比べれば約3%プラスと確かに増えてはいます。推測ですが、夏のボーナス商戦でVistaの普及率が伸びたという側面はあるでしょう。
しかしデータを見る限りXPの使用率は8割弱でほとんど変わっておらず、実際に減っているのは2000であることがわかります。サポート期間やハードウェアの耐久期間などから考えて、2000が減ること自体は別に不思議ではありません。2000から移行したのがXPなのかVistaなのかはわかりませんが、今後も緩やかに2000は減っていくでしょう。その他の9x系のWindowsはほぼ無視していいほどになっています。
ただし、XPからVistaに移行する人となると、決して多くないことがわかります。今年の3月にはVista SP1の提供されていますが、データ上はこれによる影響は何も見て取れません。すでに一般ルートでのXPの供給が終わり、すでにDSP版(OEM版)での販売しかおこなわれていない現在でも、未だにVistaのシェアは1/4にも達していないのです。
「Windows 7待ち」は十分にアリ
Windows Vistaの次、つまり次世代Windowsは「Windows 7」という仮称(コードネーム)が付いています。あくまで予定ですが、このWindows 7は2009年にも発売するといわれています。
2008年現在、開発者によれば「Microsoftでは『Windows 7』の開発を3年のタイムフレームで考えており、具体的なリリース日は品質達成の有無で最終的に決まる」として2009年末から2010年初頭の発売を予定している。
時期的に考えれば、このままXPを使い続けて2009年のWindows 7を待つというのも決しておかしな選択肢ではないでしょう。しかもVistaは用意されたエディションのうちBusinessを除き、XPよりサポート期間が短いという逆転現象が起こっています。
要するに今使っているPCの性能に特に不満がなければ、Windows 7の発売までXPをなんの問題もなく使い続けられる(*1)ということです。当然、各種ソフトもXPを相当長い期間サポートし続けるでしょう。
([*1]コンシューマ系のHome Editionなどはサポートが延長されなければ、Windows 7発売前の2009年4月にサポート期限は切れていた。)
Windowsの中で三つどもえの戦いが始まるかもしれない
現実問題としてDSP版以外でのXPの販売が終わった以上、XPのシェアがこれ以上伸びることはないでしょう。普及速度の早い遅いはあるにしても、Vistaの比率が上がっていくことは間違いないと思われます。
しかし、今までのデータを見ていると、「Windows 7が発売する前にXPに取って代わるほどVistaが普及する」というシナリオは想像しにくいものがあります。予定どおりにWindows 7が登場するならば、Vistaが最新OSでいられる期間はあと1年半もありません。Windows 7が発売した時点で、Vistaは過去のOSになってしまうのです。
そうなると、多分WindowsはXP、Vista、7と3バージョンが入り乱れることになるでしょう。XP自体のサポート期間も長いですから、「急いで移行する」必要も特にないからです。また、「枯れて安定したOS」を望む需要も間違いなくありますからね。
Windows XPでNT系と9x系のWindowsを統合することに成功したマイクロソフトですが、今度は同じNT系でバージョンが分かれてしまうかもしれません。とはいえ、これはVistaの開発が難航し発売が遅れに送れたのが元々の原因だと思いますけどね。
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